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おかげ横丁北口棟

おかげ横丁北口棟

三重県 伊勢市

敷地面積
413.31m2
建築面積
298.08m2
延床面積
673.88m2
施 工
高山建設株式会社
  • 第34回 三重県建築賞

伊勢神宮内宮の参道をおはらい町と呼び、前回の遷宮の際、そこに面する一画におかげ横丁ができた。今では年間600万人が訪れる場所となったが、今なお全てが木造建築で作られており、連日賑わいを見せている。

このたび開丁20周年を期し、おかげ横丁の北の入口に建てた建物である。開丁当初は、神宮前の駐車場から徒歩で訪れる人が大半だったが、現在では人の流れが変わり、浦田の市営駐車場から歩いてくる人が多い。そのため、そちらに近い入口を整備することとなり、この企画が生まれた。

当該敷地に2つの店舗を建てると、ひとつが小さくなって利用価値が薄くなる。かといって全体をひとつの店にするには大きすぎるという点から、ひとつの建物を2軒で使うという案が採用された。サービス部分が共有できることで面積が節減されるのが主な理由だが、運営については、おかげ横丁のノウハウで解決している。

伊勢の町家は2階に客座敷を構えるのを通例としており、このたびはそれに倣い2階座敷に上がる風情を表現した。両棟の中心に大階段を作り、そこを昇って左右の店に別れる。階段先の窓には天空が広がり、この建物使う人に象徴的な印象を与える。

界隈は、かつての町家に倣った高さで統一されており、ここでもそれを踏襲した。街路に面する軒高を抑えつつ、内部では豊かな空間を構成する。 行灯や家具も全て独自にデザインし制作している。木材は地元の杉を多用し、階段上の吹抜は柱を立てずに、小屋組だけで持たせている。そのため、丸太を互いに組み合わせて強度を確保し、見た目も綺麗に八角に落として造形美にも考慮している。

大工をはじめ、地元の各職人衆がかかわってくれ、気を吐いた仕事で応えてくれた。

おかげ横丁北口棟

前田 伸治
暮らし十職 一級建築士事務所

Shinji Maeda & Kurashijisshoku Archiects Office

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